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ダイニングチェアの選び方を解説【ゆったりとくつろげるダイニングにするために】

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・ダイニングチェアはどうやって選べばいい?

・ダイニングチェア選びでよくある失敗例は?

・そもそもダイニングチェアにそこまで拘る必要はある?座れればよくない?

この記事はこれらの疑問を解決します。

ダイニングチェアはたくさんの種類があり、どの商品にするか選ぶのはとても難しいですよね。

この記事ではダイニングチェアを選ぶ際に注意することなどを解説して、『ダイニングチェアの選び方』が学べます。

椅子なんて座れれば何でも良いという意見の人もいるでしょうが、どのようなダイニングチェアを選ぶかによってダイニングの使い方が変わります。家族同士のコミュニケーションや、在宅時における作業や勉強の充実度にも影響が出てきます。

記事の中でその詳しい理由についても解説します。

本記事は年間15棟の住宅を設計する現役建築士が書いています。ハウスメーカー勤務歴13年、今までに150棟ほどのダイニング空間を提案してきました。自宅でもダイニングは食事だけでなく、家族で会話したり、遊んだり、作業をしたりする空間として使用しているため、ダイニングの重要性を強く感じています。

この記事を読むとダイニングチェアの選び方とその重要性を理解することができ、後悔しないダイニングチェア選びができるようになります。

ダイニングチェアの選び方を解説

ダイニングチェアの選びに重要なことは以下となります。

  1. 座り心地
  2. デザイン
  3. 素材
  4. サイズ
  5. 座面
  6. メンテナンス

筆者主観ですが、重要度の高い順です。一つずつ解説します。

座りごごち

ダイニングチェアは座りごごちが最も重要です。

なぜなら座り心地が悪かったり疲れやすかったりする椅子には長時間座る気にならないからです。食事も会話も作業も短時間で終わってしまいます。そのような椅子ではゆったり寛ぐことなんてできませんよね。

そして拘っている椅子ほど座りごごちを追求しています。座面の削り方、座面の構造、クッションの構造などにこだわり、体にかかる負担、知らず知らずに与えられているストレスを緩和しています。

椅子に求められるメインの機能こそが『座りごごち』なのです。

そのため、ダイニングチェアを選ぶ時は実際に座ってみて座りごごちを確かめましょう。通販商品などで実際に座ることができない時は、せめて類似商品に座って座りごごちを確かめてみたり、たくさんのレビューをチェックするなどが必要です。

デザイン

次に重要なのはデザインです。

誰でも好きなデザインの椅子が空間にあると良い気分になりますし、単純にかっこいい椅子がダイニングにあると気分が良いですよね?

デザインは好みではありますが、良いデザインにはいくつかの法則があります。それは、

  • 必要以上に補強が入っていないか
  • 脚や背面のラインはシャープで綺麗か

です。

デザインにこだわりのない椅子は強度を確保するための材料が遠慮なく入っています。良い家具は人の体重を支えるために必要な構造までもが『デザイン』されています。

また、良い家具ほど脚や背面などの線が細く、強度とデザインを両立させています。デザインを捨てて太い脚で構成された家具は見た目の繊細さにかけるだけでなく、重くて使い辛いです。(あえて太い脚がデザインになっている家具ももちろんあります)

素材

素材次第で家具の印象はガラッと変わります。

個人的には天然木の良さを活かした無垢の椅子が最もおすすめです。

なぜなら見た目も肌触りもよく、温かみがあり落ち着きのあるインテリアになるからです。

とはいえ用途やインテリアの趣向によっては別の素材もおすすめ。椅子の骨組みの素材は木質系、樹脂系、金属系に分かれます。

  • 木質系…やわらく温かみのある雰囲気と木の持つ重厚感や高級感を出しやすい
  • 樹脂系…シンプルな雰囲気。カラーでデザインを取りやすい
  • 金属系…モダン、ナチュラルなどの多彩な雰囲気と安定感を出しやすい

また、座面や背面などの生地の素材は、布地、本革、合皮に大分されます。

  • 布地…柔らかい雰囲気。生地の柄や色でデザインを楽しみやすい。汚れはつきやすい
  • 本革…高級感がある。使い込んでいくうちに味が出てくる。耐久性がある。汚れには強いが手入れが大変
  • 合皮…本革ほどの高級感や風合いはないが、汚れに強く、手入れも不要。

サイズ

一般的な椅子のサイズは以下の通りです。

  • 座面幅(奥行)…40〜45センチ
  • 座面高さ   …40〜42センチ

これは日本人の平均身長や人間工学に基づいて決められています。

つまりこれより大きめの幅や高さを検討するときは注意が必要です。

海外製の椅子なら身長差に合わせて高さが高いでしょうし、ゆったりと腰掛けることを目的とした椅子は幅が広いため空間やテーブルのサイズにもゆとりが必要です。

座面

座面は板座か張地かで迷うところですが、個人的には板座がおすすめです。

理由は以下の通り。

  • 板座の方が見栄えが良い
  • 板座の方が掃除が簡単

張り地の柄や素材でデザイン性のあるものもありますが、見事な曲線を描いている板座はとても綺麗です。そのような板座は座りごごちもよく、意外と疲れません。

そして汚れやお手入れを気にしなくていいのが板座の最大のメリットです。

我が家の子供用ダイニングチェアは元々布座だったのですが、子供の食べこぼし飲みこぼしがひどかったので板座に取り替えました。(座面だけ取り替えできるタイプのチェアにしておいてよかった)

とはいえ板座よりも張り地の方が優れている点もあります。

  • 張り地にクッションが入っているので長時間座ってもお尻が疲れにくい
  • 張り地が柄や色が空間のアクセントになる
  • カバーリングにしておけば洗濯も楽

場合によっては張り座の方が良い場合もあります。

メンテナンス

メンテナンスが必要といえば以下のようなことが考えられます。

  • 木部のオイル塗装
  • 本革のお手入れ
  • 布地の洗濯

どれも若干面倒なので、購入前に注意が必要です。

オイル塗装の木部は定期的なオイルメンテナンスが必要です。手間はかかりますが、本格的な木の質感や肌触りをお求めの方にはオイル塗装がおすすめです。メンテナンスが面倒な方は表面がツルツルしているウレタン塗装の方が良いでしょう。木部の表面をウレタンでコーティングしているためメンテナンスが必要ありません。

本革は専用のオイルやクリームでメンテナンスをしないと乾燥や汚れで革が傷み、ひび割れの原因になります。高級感を得られますが、見た目のよく似た合皮はこのメンテナンスが不要です。高級感をとるか、手前をとるかよく考えましょう。

布地は汚れがつきやすいため洗濯が必要です。カバータイプならある程度簡単に洗濯が可能ですが、カバータイプでない布地の場合は汚れに悩まされることになると思います。

まとめ:ダイニングチェアは座っていて疲れない『座り心地』が最重要

現代のダイニング空間は食事だけでなく、家族や大切な人と会話をしたり、遊んだり、仕事をしたりする場所になっています。

ダイニングで有意義な時間を過ごすためには、ストレスなく、長く腰かけていられることが最も重要です。好きなデザインや手入れの手間がかからない素材も重要ですが、座っていることを忘れてしまうくらい違和感がないのが良い椅子の条件になります。

繰り返しになりますが、ダイニングチェアで最も重要なのは座りごごちです。