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外壁は見た目だけでなく機能や性能も大事【外壁の選ぶときに重要な話】

・外壁の選び方がわからない

・外壁って見た目だけで選んでいいの?

外壁を選ぶ時に『何を考えて選ぶべきか』を解説します。

この記事は年間15棟の住宅を設計する現役建築士が実務経験や住まい手の声を元に検証していますので参考になると思います。

外壁は外観で最も目立つ場所であり、最も建築費用が掛かる場所です。見た目も当然重要ですが、耐久性や防汚性なども重要です。

外壁選びに重要なことをご説明します。

外壁の種類

まず外壁には大きく分けて以下の4種類があります。

  • サイディング
  • モルタル吹付
  • タイル
  • 鋼板

サイディング

窯業系(※)と言われる外壁材で、外壁材として最も一般的です。

防汚性に優れますが、シーリング目地が入ることが難点です。

※窯業系サイディング材は、セメントと木質系成分を混合して製造される人工の外壁材である。

ウィキペディア より

モルタル吹付

外壁下地にモルタル(※)を使用し、塗料を吹き付けする昔ながらの方法です。

風合いはありますが汚れやすいのが難点です。

モルタルとは、砂とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料。

ウィキペディア より

タイル

焼き物であるタイルは耐久性があるだけでなく高級感もあるためとても人気です。

金額が高いのが難点です。

鋼板

ガルバリウム(※)などを使用する外壁は金属系サイディングとも呼ばれます。

スッキリしたモダンな見た目になるため近年人気がありますが、表面温度が熱くなりやすいことと、経年劣化による腐食が難点です。

※ガルバリウム 鋼板は、1972年にアメリカ合衆国のベスレヘム・スチールが開発したアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称。

ウィキペディア より

防汚性に優れるサイディング

防汚性で選ぶならサイディングがお勧めです。

サイディング商品のほとんどが、生成段階で『親水性』加工をしてるからです。

親水加工は車のフロントガラスなどの撥水の逆です。雨水や空気中の水分が外壁になじんで薄い水の膜を作ります。その膜があることによって汚れが付きにくい、ついてもまた洗い流れ落ちやすいというわけです。

ただし、コーキング目地は汚れやすいということを覚えておきましょう。外壁をグレーや薄いブラウンにするとコーキングの色も合わせるため、汚れが目立ちにくくなります。

『汚れたから外壁を塗り替える』という手間やコストを考えると、外壁材の防汚性は非常に重要です。

耐久性に優れるモルタル

外壁の耐久性で選ぶならモルタル下地がお勧めです。

モルタルの劣化速度は非常に緩やかで、適切な環境下では半永久的に持ちます。つまり、モルタルはやり替えがほぼ不要です。

やり替えが必要になるのは吹付等の外壁表面仕上げです。モルタルを保護する表面仕上げは劣化に応じて10~15年を目安に再塗装する必要があります。

あとはひび割れの補修です。1mm以上の幅のひび割れは雨水が侵入して外壁を傷めるリスクがあると言われています。定期的にひび割れ補修が必要な個所がないかどうかの点検をした方が良いでしょう。

メンテナンスがほぼ不要のタイル

耐久性を最重要視するならモルタル下地の上にタイルを張るのが最良の選択です。

モルタルもタイルも、考え得るメンテナンス項目は何もありません。手を加えることなく外壁が長持ちします。

難点は初期コストです。下地にしても仕上げ材にしてもモルタル、タイルは最上級と言っていいほどコストがかかります。

ただ、先々のメンテナンスコストを考えると20年後には逆転しています。長い目で見て、損得で考えてもモルタル+タイルはお勧めです。

資金に余裕がある方は耐久性最強のモルタル+タイルの組み合わせで計画されることをお勧めします。

低コストでモダンになる鋼板

鋼板外壁(金属系サイディング)は低コストでモダンな印象になります。

鋼板外壁で使用される金属は主にガルバリウムです。建築になじみの無い方には聞きなれない材料かもしれませんが、ガルバリウムは施工性と生産性に優れているため屋根や屋根まわりでもよく使用されています。

これを外壁に張るととてもモダンな印象になります。サイディングと違って目地が見えないのも意匠性が高くなる要因です。

ガルバリウムの他、アルミ、ステンレス、スチール、トタンなどの種類があるが、コストや耐久性の問題からガルバリウムが金属系サイディングのほとんどを占めるよ。

その他特別な仕様

その他にも外壁の仕上げはあります。

漆喰

漆喰仕上げは昔ながらの仕上げです。その耐火性や耐久性から倉や武家屋敷で使用されていました。

手間がかかることや、左官職人の減少により、近年では外壁を漆喰で仕上げるケースはほとんどありません。

木板

防腐処理や焼成処理をして木板を外壁材に使用するケースがあります。

適切な処理をしたとしても他の外装材ほどの耐水性はないため、深く軒をかける等の計画が必要です。

まとめ:外壁は目的に合わせて選ぼう

外壁はつい見た目に意識が行きがちですが、見た目以外も重要です。外壁メーカーのホームページや、SNSサイト、実際の物件などで見た目を確かめた後は、

  • 防汚性
  • 耐久性
  • 初期コスト
  • 改修コスト

などをチェックしましょう。何を重要視するかで適切な外壁は異なります。

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外壁材料ごと 性能まとめ