・マグネットがくっつく壁が人気だけど、どれがいいの?
・マグネット壁にしたときの失敗例はどんなものがある?
マグネット壁を計画したくても、商品の種類が有りすぎて、どれを選んだらいいのかわかり辛いという方は多いのではないかと思います。この記事では各商品の特徴を解説しています。
この記事では年間15棟の住宅を設計する現役建築士がマグネット壁のおすすめ商品や注意点を解説します。実務経験と住まい手の感想を元に書いているので参考になると思います。
ただ単に建築会社にマグネット壁にしたい、と伝えるだけでは失敗してしまう可能性があります。なぜなら、商品によって特徴や性能がバラバラで、建築会社もその全てを把握していない可能性が高いからです。
この記事を読んで頂くとマグネット壁はどのように計画するべきかがわかります。
マグネット壁でもいろんな種類がある
マグネット壁にも以下の8つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
- ホワイトボード
- マグネットクロス
- マグネットシート下地タイプ
- マグネットシート仕上げタイプ
- マグネット塗料
- 耐熱マグネットボード
- ホーローパネル
- 鋼板パネル
以下の表と合わせて詳しく解説します。
磁力 | 施工性 | デザイン | 金額 | DIY | マーカー | |
ホワイトボード | 〇 | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
マグネットクロス | △ | 〇 | △ | 〇 | △ | × |
マグネットシート下地タイプ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × | × |
マグネットシート仕上げタイプ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
マグネット塗料 | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 | × |
耐熱マグネットボード | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
ホーローパネル | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × | 〇 |
鋼板パネル | 〇 | 〇 | △ | △ | × | × |
ホワイトボード
お馴染みのホワイトボードを使用する方法です。
お好みのサイズで計画が可能で、枠をつけたりすると見栄えも良くなります。
DIYも容易にできること、マーカーで書けることなどのメリットがあります。
マグネットクロス
鉄粉を仕込んだクロスで、壁紙自体にマグネットが付きます。
スッキリと施工できるのがメリットですが、磁力が少し弱いのがデメリットです。
ニッチの中などの限られたスペースで使用するのがお勧めです。
また、クロスと言えど周りのクロスとは微妙に色合いが違って見えるので差が大きい場合は注意が必要です。
マグネットシート下地タイプ
壁紙の下地にマグネットシートを仕込んで上からクロスを張るやり方です。
磁力もある程度は確保できて、見栄えがいいのがメリットです。
使用していくうちに壁紙が汚れます。また、施工方法によってはどの範囲までマグネットシートを施工したかわからなくなるので注意が必要です。
マグネットシート仕上げタイプ
マグネットシートを壁の表面に張る方法で、DIY向けの施工方法です。
マグネット塗料
塗料をクロスや合板の上に塗ってマグネット壁にすることができます。
キレイに施工するのが少し難しいですが、DIYで楽しみながらできます。
耐熱マグネットボード
キッチン周りの壁は通常タイルや耐熱パネルにしますが、これに代わる耐熱マグネットボードがあります。
キッチン周りの調理器具などをマグネットで好きな高さや位置に取り付けることができるため便利です。
ホーローパネル
ホーローは丈夫で耐久性に優れた部材です。マグネットがついてマーカーで書けるというメリットもあるため、キッチン周りの部材としてとても優れています。
鋼板パネル
鋼板パネルを張るという荒業もあります。見栄えこそ良くないものの、大きな面積を確保し易いことや安価に材料費を抑えることができることなどはメリットです。
磁力とマーカーで選ぶならホワイトボード
ホワイトボードは実用性に優れています。
なぜなら十分な磁力とマーカーで書けるという点があるからです。
後付けも容易で、DIYもし易いため、どのご家庭でも採用しやすいでしょう。
デザイン性高く計画するのは難しいかもしれませんが、目立たない位置でコスパよく利便性を追求するなら最もお勧めです。
ホワイトボードの更に上をいく性能ホーローパネル
性能重視ならホーローパネルがお勧めです。
水にも熱にも強く、強度もあるからです。
ホワイトボードと比較すると少し高いですが、長い目で見ると簡単なお手入れで長持ちするため重宝します。
マグネットクロスは磁力が弱いので注意
マグネットクロスは磁力が弱いのが難点です。
そばを通った時や窓から風が吹きこんだ時など、張ったプリントなどが落ちてしまうこともあるため、計画する位置には注意しましょう。
また、見た目も周りのクロスと微妙に異なるため、見た目が完全にスッキリ計画できるわけでなありません。
壁紙に張る際の注意点は汚れと磁力
見た目が最もいいのは壁の下地にマグネットシートを仕込み、上から壁紙を張ってしまうパターンだと思います。
このときに注意点は壁紙表面の汚れと磁力です。
壁紙表面は使用に伴い汚れていきます。ホワイトボードやホーローパネルなら簡単に拭き取れますが、壁紙はそのようにはいきません。
また、壁紙を挟む磁力が低下します。シートタイプよりも鋼板タイプの商品の方が磁力が強いためお勧めです。
まとめ:見た目か、使い勝手か、メンテナンス性か
どの機能を重視するかによってお勧めの商品は変わってきます。
- 【見た目重視】ならマグネットシート下地タイプ
- 【使い勝手(磁力)重視】ならホワイトボード、ホーローパネル
- 【後付け】ならマグネットシート仕上げタイプ、マグネット塗料
マグネット壁は生活をとても便利にしてくれます。楽しみながら計画してみましょう。