・建具は開きドアと引戸はどちらがよい?
・引戸にしたときのメリットやデメリットを知りたい
この記事は新築で間取りを計画する際、建具を開きドアにするか引戸にするか迷う方に向けて書いた記事です。
結論、特別な理由がなければ建具は引き戸にした方が良いです。
なぜなら引戸の方が開閉動作や日常動作が楽だからです。引戸の具体的なメリットを要点をまとめてご説明します。
一方で引戸のデメリットも把握しておきましょう。引き戸は万能ではなく、ある条件下では開きドアを選んだ方が良い場合もあります。
引き戸のメリットとデメリットを現役建築士が解説します。
引戸は開けっぱなしにしやすい
引き戸は開けっ放しにしやすいです。気候が良いときや掃除の時など、気持ちよく風通しを確保することができます。
その理由は開けた建具が邪魔にならないからです。引き戸は開きドアを違い、建具が横にスライドするだけです。
開きドアの場合は開いている状態のドアが邪魔になります。また、風が吹き込んできた時に大きな音をたてて閉まることもありますし、指を挟んだりすると危険です。
部屋をつなげて使う、風通しを確保する、利便性のためにわざわざ建具を閉めない、という状況では引き戸が圧倒的に使い易いです。
引戸は開けるためのスペースが要らない
引き戸は開き戸と違い、建具が開く際にスペースが要りません。
ドアを開ける際にスペースが必要な開きドアは、室内の物に当たる可能性や廊下を歩いている人に当たる可能性があります。
建具が邪魔にならないので、車いす対応の施設は必ず引き戸となっています。
物に当たる、人に当たるは些細なことかもしれませんが、これが毎日起こるとかなりのストレスになります。引き戸にすることでそのストレスが軽減することができます。
ソフトクローズ、上吊りで更に快適に
引き戸を更に快適に使用するための機能として、ソフトクローズ機能と上吊り機能があります。
これらはメリットしかありません。金額はかかりますが、おすすめの機能です。
ソフトクローズ
最後の数センチがゆっくり閉まる機能で、指を挟んだりする危険性や、枠に建具が当たる音と衝撃を緩和するものです。
最新の建具では開ける側にもこのソフトクローズがついているものあります。
上吊り
上吊り構造は建具を上部(鴨居)から吊っているため、建具の下に敷居溝やレールがないため、見栄えと掃除性が良いです。
敷居やレールにはホコリがたまります。特にレールの中に入り込んだホコリの掃除はとてもしにくいです。
また、レールの上を走る戸車にホコリがつまります。レールがなくすっきりしていると見栄え定期的な戸車の掃除が不要なのはとても大きいです。
見映えは開き戸の方が良い
引き戸のデメリットは見栄えです。建具枠が建具と同じ形である開きドアに対し、引き戸は枠が引き代の部分までまわる形になります。
玄関やリビングなどで使用すると少し目立ってしまうかもしれません。
引き戸の一種で、壁と壁の間に入っていく引き込み戸であれば枠が目立ってしまうことはありませんが、その隙間にホコリや物が詰まってしまうというリスクがあります。
使用する場所によっては、引き戸は意匠的にお勧めできないことがあります。
隙間は開き戸の方が少ない
建具を閉めた時の隙間は引き戸の方が大きいです。つまり、引き戸は密閉度が比較的低く、音やにおいは漏れやすいといえます。
寝室や子供部屋は開けっ放しにする必要がなければ開きドアの方が就寝や勉強には適しているかもしれません。建具を開けるときの音も開きドアの方が小さいです。
同様の理由で、トイレの建具も開きドアの方が音が廊下側に響きにくいです。
音やにおいが気になる場所は開きドアの方が適しています。
まとめ:建具は基本的に引戸、部分的にドアに変更する
繰り返しになりますが、建具は引戸で計画した方が使いやすいです。
- 開けっぱなしにしやすい
- 開けるためのスペースが要らない
- ソフトクローズ機能と上吊り機能で更に快適に使える
というのがその理由です。
見映えが気になる場所や防音性やプライバシー性を重視したい場所のみ開きドアに変更して使いやすい間取りを計画しましょう。
『基本的に引戸、部分変更で開きドア』とすると、とても住みやすい間取りになります。