収納

クローゼットで失敗しないために検討すべきこと5つ【快適に使えるクローゼットの作り方】

・洋服をスッキリ収納するためには?

・クローゼットの計画で失敗したくない

この記事ではクローゼットの計画で失敗しないために必要な5つのことを解説します。

なぜならこの記事は年間15棟の住宅を設計する現役建築士が、実務経験、実際に住んだ住まい手の意見、自宅のクローゼットの使い勝手の感想を元に検証しているからです。

クローゼットに関する記事は多いですが、情報が多すぎてわかりにくいですよね?この記事は簡潔にわかりやすく要点をまとめていますのでサクサク読めます。

家の中の収納でのお悩みはたくさんありますが、その中でも洋服は最重要といえます。この記事を読んで迷わない、後悔しないクローゼット計画を学んで下さい。

洋服の奥行きを把握しよう

クローゼットの奥行きをもっと考えるべきだった…

洋服の奥行きを考えてクローゼットを作らなければいけません。

奥行きの見込みが少ないと、

  • クローゼット収納の場合、かさばる洋服が入らない
  • ウォークインクローゼットの場合、通路部分が狭すぎる

という失敗に繋がります。

また、奥行きの見込みが大きすぎると

  • クローゼット収納の場合、内部があまって勿体ない
  • ウォークインクローゼットの場合、通路部分ばかり広すぎて勿体ない

という失敗につながります。

洋服の収納で確保すべき奥行きは50〜60センチです。棚収納に合わせた30〜45センチでは小さすぎるし、押入(布団の収納)に合わせた75〜80センチでは大きすぎます。

適切な寸法で計画することで日常のストレスや不便、間取りの無駄を省くことができます。

ハンガーパイプの幅はどれくらい必要?

洋服掛けの量が全く足りなかった…

クローゼットの収納量はハンガーパイプの長さが肝になります。大切なのは畳数ではなく、ハンガーパイプの長さです。

なぜなら、最近はほとんどの方が洋服を『畳んで収納』ではなく『ハンガーに掛けて収納』をするからです。

ハンガーに掛けた方が、

  • シワにならない
  • 湿気がこもらない
  • 畳む手間が省ける

というメリットがあるため快適に家事をこなすためにはとても重要な要素です。

自分にとって十分なハンガーパイプの長さを知るためには、今使っているハンガーパイプの長さを測るのが一番です。その際、

  • 今使っているハンガーパイプでどれくらい足りないか
  • 本当に必要な洋服を掛けているか(何年も使用していない、捨てた方が良いような洋服はないか)

を十分にチャックしましょう。

クローゼットに建具が必要な理由

クローゼットにドアはつけなくても良いのかな?

建具の要否は迷われる方も多々いらっしゃいますが、クローゼットに建具はあった方が良いです。

理由はホコリと湿気です。

建具がないと部屋でまったホコリが服にかぶってしまいます。久しぶりに服を着ようとしたら肩にホコリが、なんていうことになってしまいます。

また、部屋で物干しをしたり、加湿器を付けた時にクローゼットの湿気が多くなるのは嫌ですよね。

ホコリと湿気の対策のためにクローゼットに建具は必要です。

ウォークインなら窓が必要な理由

ウォークインクローゼットって窓無しでも大丈夫?

これも議論されることが多いですが、ウォークインクローゼットは窓があった方が良いです。

理由は明るさと通風です。

設けるとしてもウォークインクローゼットにそこまで大きな窓は設けないので、明るさは知れています。でも、小窓でも有るのと無いのとでは明るさは全く違います。普段の使い勝手もそうですし、片付けや掃除の時も明るい方がやりやすいです。

また、窓を開けて風を通して湿気対策をすることができます。衛生面に関しては窓を開けるのが最も効果的です。24時間換気も、湿気取りも、天然の通風にはかないません。

ただし日差しも入ってくるということに注意が必要です。東側や西側は特に季節を問わず日が差し込んでくるので、服が焼けます。カーテンやロールスクリーンはつけないといけないというデメリットが発生してくる可能性があります。

明るさと通風のためにウォークインクローゼットには窓があった方が良いですが、その窓が北側だと最高ですね。

クローゼットは本当に寝室に必要?

なんとなく寝室の横に付けたけど…

クローゼットは寝室近くに設けるのが一般的ですが、寝室のそばに設ける必要はありません。

なぜなら、生活動線を考えた時にクローゼットが効率的に使える場所は他にたくさんあるからです。例えば以下の場所が考えられます。

  • 玄関の近く…帰宅してすぐに使い易い。出かける前に使い易い。
  • 洗面脱衣室の近く…お風呂に入る前に使い易い。
  • 物干し場の近く…干した後の洗濯物が収納し易い。
  • 寝室からでなく廊下からいけるようにする…家族みんなが使い易い。

寝室の近くに拘らない方が良い場合もありますし、一か所に固めずに分散させるという方法もあります。

いずれにせよ寝室の近くにないといけないという理由はないですよね。

まとめ:クローゼットの計画でありがちな5つの失敗を避ける

クローゼットは使いながら収納アイテムを足したり、棚を追加したりして工夫ができます。つまり、致命的な失敗さえしなければ後々使いやすいように工夫ができます。

クローゼット計画でありがちな5つの大失敗を避けるようにしましょう。これは後々つぶしが効かないので要注意です。

  • 奥行きを50〜60センチ確保する
  • ハンガーパイプの長さを十分に確保する
  • 建具をつけて湿気対策とホコリ対策
  • 窓をつけて採光対策と換気対策
  • 寝室に拘らず玄関や廊下や脱衣所にも検討

計画段階ではこれだけ抑えておけば大丈夫です。細かい収納術は、使いながら考えればOKです。