ウッドデッキを計画する際に重要なことが5つあります。
- サイズを考える
- 材質を考える
- メンテナンス手間を考える
- 屋根の要否を考える
- 具体的な使い方を考える
これを考慮しておかないとあまり使わないウッドデッキになってしまう可能性があります。
なぜならこの5つは年間15棟の設計を手掛ける現役建築士が、自身の実務経験や住まい手からの要望や感想を踏まえたうえで考えた5項目だからです。
どのような計画が最適かは人それぞれですが、この5項目はどのような方の計画にも共通して重要だと言えます。
この記事を読んだ方がウッドデッキを計画することで後悔のない計画ができれば幸いです。
ウッドデッキのサイズを考える
もっと広くすればよかった…
こんなに広くなくてもよかったな…
ウッドデッキは大きすぎず、小さすぎず、適切なサイズで計画することが大事です。
なぜならそれぞれ以下のようなデメリットがあるからです。
【ウッドデッキが大きすぎるデメリット】
- 設置費用が高くなる
- メンテナンスが大変になる
- 庭が狭くなる
【ウッドデッキが小さすぎるデメリット】
- 希望する用途で使えない(椅子が置けない、プールが置けないなど)
大きければよいという問題ではありませんので注意が必要です。貴重な庭のスペースを占領するということを頭に入れておきましょう。
ウッドデッキの材質を考える
樹脂製より木製の方がかっこいよかったな…
木製のウッドデッキはメンテナンスが面倒だな…
ウッドデッキの材質はよく考える必要があります。
なぜなら同じウッドデッキでも商品により材種や材質は様々で、それぞれ特徴が大きく異なるからです。
ざっと上げるだけでも以下のような種類があります。
桧(天然木)
桧は風呂の材料に使われることもあるくらい耐水に優れます。高級感のある木目、香りも人気の理由です。
杉(天然木)
杉は安価で加工性に優れることから最も使用される建築資材です。桧に比べて割れが出やすく、腐食しやすいのが難点です。
パイン(天然木)
桧や杉と同じく針葉樹系の建築資材です。加工性に優れ薬剤の浸透性に優れるため防腐剤を加圧注入して使われることもあります。
樹脂
風合いは天然木に劣るものの、防腐剤を塗る等のメンテナンスが要らないのが特徴です。ウレタン素材の樹脂は断熱材に優れるため、ウッドデッキに使用すると夏場でも暑くなりにくいです。
人工木材
樹脂に木粉を混ぜて人工的に生成した木質部材です。樹脂のメンテナンス容易さと天然木の風合いを両方実現します。
製造に手間がかかるため材料費が高いです。
目的や志向に合わせて材質を選びましょう。メンテナンスが好きな方は防腐剤を塗るのが苦にはならないと思うので天然木をお勧めしますが、面倒くさがりな方は樹脂製の方がおすすめです。
メンテナンス手間がかかる
木製のウッドデッキのメンテナンスは手間がかかります。
一年に一度防腐剤を塗る必要があるからです。当然ながら面積が大きければ大きいほど大変です。
この作業をサボってしまうとウッドデッキの色落ちや傷みが激しくなり、見栄えが悪くなるだけでなく耐久性に支障が出てきます。
樹脂製といえど全くメンテナンスが要らないわけではありません。樹脂も紫外線にさらされて確実に劣化はしていくため定期的な補修や将来的な再施工は必要です。
屋根付きじゃないと夏場は使えない
夏場に外で食事をする、プールを出すなどお考えの方には屋根は必須です。
屋根がないと夏場の利用価値はほぼゼロと言っても間違いではないかもしれません。夏場の直射はとても危険です。
後からパラソルや日除けシェードなどをつけるのもいいですが、風が吹くと邪魔ですし、飛んでいかないか心配ですしあまりお勧めできません。
土地条件や方角を考えて屋根の要否を検討しましょう。
使い方を明確にしておけばよかった
全ての失敗に言えることですが、使う目的がはっきりしていないことが原因です。
使う目的をしっかりイメージできていればサイズや材質や屋根の有無なども必然的に決まってきます。
例えば、物干しのためのウッドデッキなら奥行きは必要ありません。物干しがしやすいような横幅と、できれば手すりなどがあると布団なども干しやすいです。
しかし、外での食事やアウトリビングが目的のウッドデッキならどうでしょうか。横幅よりもテーブル椅子が出せるような奥行きが重要になりますし、ウッドデッキに腰掛けることが出来ないので手すりは邪魔になります。
このように目的によって適切な計画というものは変わってきます。何をしたいか、何を諦めるかをある程度決めておくことが重要です。
まとめ:ウッドデッキを計画する前に考えるべきこと5つ
ウッドデッキを計画する際は以下の5つを考えましょう。
- 適切なサイズ
- 目的にあった材質
- メンテナンス手間
- 屋根の要否
- 具体的な使い方
ウッドデッキをうまく計画することでリビングが広く感じたり庭が楽しく感じたりします。後悔のないウッドデッキを計画して下さい。