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失敗しないニッチの作り方。新築でニッチを設けるときに気を付けること。

・ニッチを作りたいけどどんな計画が良い?

・ニッチに関する失敗事例を知りたい。

・ニッチで失敗しないために必要なことは?

この記事では新築でニッチを作る際に失敗しない方法をご紹介します。

ニッチを設けると素敵なインテリアになりますが、一方で後悔している人もいます。失敗事例を参考に、なぜ失敗したのかを現役建築士が検証していきます。

ニッチに限らず、計画においては明確な目的が重要です。目的もなく何となく設けられた飾りや収納は使われることなく掃除の手間などが掛かってしまうだけです。また、その造作費用も勿体ないです。

そうならないためにも本記事を読んでニッチに対する理解を深めてください。

ニッチとは

ニッチとは壁の厚みを利用して壁を窪ませ、飾りや収納に使用する造作のことです。

場所を取らずにちょっとした飾り棚や収納空間を設けることができるため、新築計画時にとても人気のあるオプションです。

壁の厚みを利用するため、奥行きは10センチほど。横長、縦長など形状も自由に考えることができるので楽しんで計画ができます。

ニッチの目的とメリット・デメリット

ニッチは以下の3つの目的で設置します。

  • 物を飾る
  • 物を収納する
  • リモコン等の出っ張りを解消する

このような目的を満たすことができるため、ニッチは汎用性が高く、家の至るところで計画ができます。

そして計画にはメリットとデメリットがつきもの。これをしっかりと理解した上でニッチを計画しましょう。

ニッチのメリット5つ

ニッチのメリットは以下の5つです。

  • 見た目がおしゃれ
  • 壁厚を利用するので場所を取らない
  • スペースを有効利用して収納を増やせる
  • 凹みを利用するので出っ張るリモコンなどをスッキリ見せれる
  • どの部屋でも計画できる

一方でデメリットもあります。

ニッチのデメリット5つ

ニッチのデメリットは以下の5つがデメリットです。

  • 奥行きが少ない
  • 造作費用が掛かる
  • ホコリがたまるので掃除が面倒
  • 飾りを設けたら何か飾らないといけないというプレッシャーになる
  • 壁を作り込むので後から無しにすることはできない

このような後悔のないように、本当に必要かを考えて計画しましょう。

ニッチの失敗例

ニッチでは様々な失敗例があります。これを学ぶことで計画段階で失敗を防ぐことができます。

意外と物が置けない

奥行きが小さいので意外と物を置くスペースはありません。

壁厚を利用したニッチは奥行10センチほど。ここに置けるものが限られています。

置くものをイメージしておらず、スペースを期待していた人からすると少し物足りないかもしれません。

たくさん設けたら結構な金額に

1~2箇所なら大した金額ではないですが、これが10か所までなると10万円です。

階段や廊下で多用してしまうと10箇所なんてすぐにいってしまいます。

本当に必要か、本当に飾るものがそんなにあるか、よく考えましょう。

掃除が面倒

飾りを置くと掃除が面倒です。家の中の水平面には必ずホコリがたまりますし、飾りを置いていたら掃除をするのも一苦労。

ただの壁ならいらなかった掃除手間が増えてしまいます。

意外と飾るものがない

ニッチがスカスカということがあります。何を飾ったらよいかわからないという人も少なくないと思います。

飾り目的で設けたニッチは何か飾らないと変です。ちゃんと飾れるか考えてから位置とサイズと個数を計画しましょう。

ニッチの金額

ニッチの金額はどれくらいかという質問が多いので、概算をご紹介します。

大体1万円程度です。諸条件により変動はしますが、内訳は以下の3つです。

  • 大工工事での下地手間…4千円くらい
  • カウンターの費用…3千円くらい
  • クロス貼り手間の費用…3千円くらい

もちろん建築会社や使用する材料によって差はありますが、よほど特殊な計画でない限り大きくは変わらないはずです。

注意:上記金額と異なった場合、建築会社に対して文句を言うのはやめてあげてください。正確な金額は建築会社ごとに異なります。

ニッチはどこに計画する?

ニッチは様々なところで計画が可能です。

  • 玄関
  • リビング
  • ダイニング
  • キッチン
  • 洗面脱衣室
  • トイレ
  • 階段
  • 子供部屋
  • 寝室

これらの部屋でのお勧めの使い方をご紹介します。

玄関でのニッチ

飾りとしてのニッチがお勧めです。玄関は目立つ場所なので飾りが最も映える場所です。

写真、置物、お花、観葉植物などを飾っておしゃれな玄関にしましょう。

また、カギなどをおく目的でニッチを計画するのもお勧めです。

リビングでのニッチ

リビングでは飾りもいいですが、実用性をプラスすることをお勧めします。

例えば雑誌が収納できるマガジンラックにしてもいいですし、コンセントを取れば充電スペースにもできます。

ニッチの奥行きはたったの10センチですが、使い方によってはとても便利なスペースになります。

ダイニングでのニッチ

ダイニングでは実用重視がお勧め。食卓の横にニッチがあると箱ティッシュや調味料が置けます。

また、ダイニングテーブルで書き物をすることなどを考えるとペン立てなどを置けても便利です。他にも薬やサプリなど。置けたら便利なものはたくさんありそうです。

食卓のまわりでかさばっているものは何か、ニッチの奥行で解消ができないかを考えてみましょう。

キッチンでのニッチ

キッチンの近くにはリモコンが来る計画が多いです。リモコンはニッチを使用して出っ張らないように計画しましょう。

そのリモコンニッチを少し大きめに取り、コルクやマグネットボードを張ると掲示板として使用できます。そうすると冷蔵庫にペタペタ張っている掲示物をニッチの中に納めることができます。

ゴミ出し表、献立表、学校の連絡・プリント、カレンダーなど。ニッチの中に入ってしまえばよいと思いませんか?

洗面脱衣室でのニッチ

洗面脱衣室では洗剤置きとして機能します。洗剤はニッチの奥行で十分に置けるんです。

洗濯機の横にあれば理想的で、普段使いもストックもニッチの中に収納できます。

トイレでのニッチ

収納としてニッチを利用します。トイレットペーパー、生理用品、掃除道具です。

壁の厚みを利用することでスッキリと収納を確保できます。これがあれば収納棚をつける必要がありません。

棚をつけるとどうしても見栄えが良くないですよね。

階段でのニッチ

階段でのニッチは飾りです。階段に合わせて小さい正方形のニッチを設けることをお勧めします。

普段の動線上に飾りを設けると普段から目にとまるのでとてもお勧めです。

寝室でのニッチ

寝室では枕元に設けましょう。時計、スマフォ、眼鏡などを置けるスペースです。

ベットの横にテーブルを置くのも良いですが、ベッドメイキングの時に邪魔になったり、寝相が悪いと手などが当たって物が落ちたりします。

少し高いところにあるニッチならその点も安心です。

ニッチの代わりになるもの

無理にニッチを設けなくてもニッチの代わりになるものはたくさんあります。

ニッチは壁の造作で作りこんでしまうので、先々つぶしが効かないというデメリットもあります。

もしその他の方法で代用可能であればニッチを設けないという選択肢もあってよいと思います。

具体的には、

  • ピクチャーレールで観葉植物を吊り下げる
  • 飾り台などを置いて飾りや収納のスペースを確保する
  • 壁にカウンターを取り付けて写真たてを置く

などが考えられます。

ピクチャーレールで観葉植物を吊り下げる

観葉植物は吊り下げるという選択肢があります。その際、ピクチャーレールが便利です。

ピクチャーレールなら壁に穴を開けることなどなく絵や観葉植物を飾ることができるからです。

後からレールやフックを増やすことも取っ払うこともできます。先々つぶしが効くというのもうれしいところ。

植物を飾るだけならピクチャーレールで対応可能ですね。

飾り台などを置いて飾りや収納のスペースを確保する

飾り台を置くことに抵抗がある方が多くいます。

・せっかくの新築だからなるべく家具は置きたくない…

・全て作り付けでスッキリさせたい…

その気持ちもすごくよくわかります。

でも、おしゃれな家具を置けばインテリアを楽しめますし、置き家具なので後から動かせる、つぶしが効くという最大のメリットもあります。

飾りや収納などの生活イメージが具体的に湧いていない方やご自身でインテリアを楽しみたい方はニッチではなく置き家具を検討しましょう。

壁にカウンターを取り付けて写真たてを置く

壁に取り付けることができるカウンターがあります。

下地も必要なく、どんな場所でも取り付けることができます。これを利用すれば写真たて程度ならどこでも飾ることができます。

壁にあとは残りますが、ジョイントコークで塞いでしまえばそこまで気にもなりません。

ちょっとした飾りは後付けのカウンターでも十分です。

となると、代替不可能なのは…

代替不可能なのはニッチを利用してリモコンの出っ張りを解消することです。

これはどうやらニッチでしか目的を達成することができません。後からやるのは難しいので、リモコン類をすっきりと納めたいならニッチを積極的に計画しましょう。

まとめ:ニッチは目的をもって設けよう&リモコンニッチは特におすすめ

ニッチは目的を明確に持って設けることをお勧めします。必要性がなければ、掃除が面倒、造作費用が勿体ないということになるので。

最悪あとから別の飾りを計画することもできます。

ただし、リモコンニッチの代わりはどうやらなさそうなので注意しましょう。