・土地選びで失敗したくない…
・土地選びで気を付けることってどんなこと?
この記事を読んで頂くと失敗しない土地選びのやり方がわかります。
なぜなら、住宅の設計を年間15棟手掛ける現役建築士が、実務で感じたことや住まい手から聞いた実体験を元に書いている記事だからです。
『完璧な土地』はなく、購入の際には何かしらの妥協が必要です。そして何を妥協するかは買い手や物件条件によって様々で、大きさ、金額、日当たり、騒音、立地など様々な検討をすることになります。
当然ながらその判断には専門知識が必要となり、この記事はその専門知識のご紹介しています。
この記事を読んで頂くと土地を選ぶ際にはどんなところに注意をしなければいけないのかがわかります。
土地選びの失敗例7つ
土地選びで失敗しないために、『こうしたら失敗する』を知っておくことが重要です。
よくある失敗は以下の7つです。
- 理想の間取りが入らない
- 日当たりが悪い
- 地盤が悪い
- 予算オーバー
- 近所のリサーチ不足
- 気付けば売れていた
- 雨の日の状況
順に解説します。
理想の間取りが入らない
シンプルに家が入らないという問題があります。これは、
- 土地の使い方に関する検討不足
- 法規を考慮した設計ができていない
ということが原因です。対策として、
- 土地を買う前に満足がいくまで間取りの検討をする
- 土地に関する法規情報を調べる(不動産屋に聞き取りをする)
ということが重要です。法規によっては、
- 建物の面積
- 建物の高さ
- 建物の配置
- 建物の仕様
に制限ができるので注意しましょう。
日当たりが悪い
リビング等、日当たりが欲しい居室部分に日が入らないという失敗があります。
日当たりが悪くなる原因は以下の通り。
- 南側の隣家が近い
- 日当たりを考慮した設計ができていない
対策としては、
- 南側道路の土地を選ぶ
- 南側に隣家がない(これからも建ちそうにない)土地を選ぶ
- 日当たりが確保できそうな間取りができるか検討する
などがあります。
地盤が悪い
地盤が悪いと地盤改良工事が必要です。
柔らかい地盤に建物をそのまま建てると建物が沈んでしまうからです。
費用はおよそ100~300万円。建物の荷重、面積、地盤改良の構法によって様々です。
周辺地域のデータ調べることで要否の目安はたちますが、正確に要否をしるためには事前に地耐力調査をするしかありません。
地耐力調査は建築会社で段取り可能。あとは不動産屋(売主)に調査をしても良いか相談する必要があるよ。
予算オーバー
予算オーバーは付帯工事の検討不足で生じます。
なぜなら土地の条件によって必要となる工事が変わってくるからです。
土地の地盤が軟弱だった場合の地盤改良工事が必要で、土地と道路や隣地に高低差がある場合は外構造成工事が必要です。これらは数百万円かかる可能性もあり、全体的な予算が大きく変わってきます。
『その土地ではどんな工事が必要か』は建築会社に相談するしかありません。事前確認、事前設計が必須です。
近所のリサーチ不足
近所についてもしっかり調べる必要があります。
具体的には以下の内容です。
- 学校までの距離
- スーパーまでの距離
- 近隣の様子(変な人はいないか)
- 近隣の年齢層
- 交通量
- ゴミ捨て場はどこか
これらは自分の努力では変えようがないと事なので、我慢できないことがあったら住んだ後に苦労することになります。
気付けば売れていた
検討中に他の人に買われてしまったということがあります。
土地の検討は早さが重要です。良い土地ほど早く買い手がつくため情報が出た瞬間に判断する必要があります。
できれば買う時の条件を決めておいた方が良いです。このエリアで○○坪で○○円なら買う、など。
買い付け(土地の予約。一般的には2週間ほど)を入れておけばひとまずは安心できるので、気に入った土地はすぐに買い付けを入れられるように日頃から準備が必要です。
雨の日の状況を知らなかった
雨の日の状況をチェックしていなく、いざ雨の日に見てみると、
- 水路があふれている
- 水はけが悪い
- 道路に水たまりができやすい
などの予期せぬデメリットに気付くということがあります。
悪い状態を見ておくというのは土地選びの基本です。雨の日や夜も土地を視察するということはとても重要です。
土地選びで重要なこと5つ
土地選びで失敗しないために気を付けなければいけないのは以下の5つです。
- 土地に合わせてプランニングする
- 最低3回現地視察する
- 近隣の住宅や近くの施設を確認する
- 資産価値を考える
- 諦める項目を決める
これらを気を付けておけばおおむね大丈夫です。
土地に合わせてプランニングする
土地を眺めて買うかどうかを決断するのではなく、まず間取りを考えてみましょう。(建築会社に依頼しましょう。)
建物の広さ、庭の広さ(日当たり)、駐車場の広さなど、希望している間取りが入るのかを知ることができます。
この段階で重要なのは間取りの詳細検討まではしないこと。土地を買うかどうか検討しているときに詳細まで検討していたらその間に他の人に買われてしまいます。
この段階では『駐車場は2台あればOK』、『LDKは16帖あればOK』などの、大まかなプランニングで検討して下さい。
最低3回現地視察する
現地は最低3回視察しましょう。
1回の視察だけでは気付かないこともあり、2回目、3回目に新たな発見(メリットもデメリットも)があるからです。
そしてできれば昼と夜に分けていってください。夜の周りの雰囲気や暗さ(外灯の有無)などもチェックできます。
天候次第なのでなんとも言えないですが、晴の日と雨の日がチェックできればベストです。
近隣の住宅や近くの施設を確認する
近隣の住宅が近隣の施設をチェックしましょう。
通学路に危険な場所はないか、同年代の世帯が住んでいるか、自治会の行事はどのようなものがあるか、スーパーまで何分でいけるか、病院は近いか、など。
利便性によってその土地の評価を大きく変わるはずです。調査にリスクは何もありませんので、面倒くさがらずに必ず調べましょう。
資産価値を考える
将来的な資産価値を考えます。
いざという時(売るときや相続するときなど)にしっかりと価値が残っていなければローンを組んだ長年払い続ける甲斐がないからです。
路線価を調べてみるのも良いですし、不動産関係者や建築関係者に聞いてみるのも良いです。
このとき直接商談をしている業者には聞かないでください。当然ながら、『全く問題ない』という回答しか返ってきません(笑)
諦める項目を決める
最後に優先順位を決めます。決断をする際に何かを諦めるという作業はとても重要です。
なぜなら、100点満点の土地はないからです。
そしてその時に重要なのがそれは他のもので代替可能かということ。
例えば検討している土地に、隣家が原因で日当たりというデメリットがあったときに、間取りの工夫で許容範囲まで日当たりを確保できるかを検討しましょう。
もし許容範囲まで日当たりが確保できそうであれば、『隣家が原因で日当たりがよくなさそう』は妥協しても良いかもしれません。
対策が打てるか否かも考えて判断しましょう。
土地情報の探し方
土地情報は以下の6つの方法で探すことができます。
- 土地情報サイト
- 不動産屋
- 建築会社
- 現地看板
- 銀行
- 市の競売
順に解説します。
土地情報サイトで探す
土地情報サイトにはたくさんの土地情報が登録されています。
不動産業のメインの営業媒体と言っても間違いではありません。
プロの仲介業者も主だったサイトはチェックしており、毎日数回チェックしている人もいます。
不動産屋を訪ねる
町の不動産屋を訪ねて情報をもらうという一般的なやり方です。
大事なのは足しげく通うことと一件に絞らないことです。
足しげく通って熱心さを見せていると、情報が入ったときに思い出してもらえる可能性が高くなります。
不動産屋さんは買ってくれるなら誰でもいいのです。いかに印象付けるか、覚えてもらうかで情報を真っ先に教えてもらうことができます。
また、一件に絞っていると情報に偏りが出ます。特定の不動産屋しか取り扱っていない情報などもあることを考えると、そのエリアで最低3件ほどは声をかけておいた方が良いでしょう。
建築会社に頼んでおく
建築会社と土地探しはとてもお勧めです。
なぜなら建築会社とは利害関係が一致しているからです。建築会社は契約して早く建ててもらいたいのですが、そのためには良い土地を見つけなければならないとわかれば必死で探してくれるでしょう。
また、不動産屋はエンドユーザーではなく建築会社に営業しているところもたくさんあります。そちらの方が楽だからです。(何もしなくても建築会社の営業担当が買い手を見つけてくれる)
建築会社は意外なほどたくさんの土地情報を知っています。
現地看板を見て電話
この辺に土地があればいいなと思って散歩していると売地の看板が。
これは珍しいことではありません。
ネットを駆使した現代の営業が苦手な不動産屋はたくさんいます。原始的な看板というやり方でたまにお宝を見つけられることがあります。
実際に現地にいるから生活イメージも沸きやすいのも利点です。しっくり来たら即電話しましょう。
銀行から土地情報を入手する?
少しレアケースですが、銀行も土地情報を持っています。
なぜなら、銀行は地主や事業家とつながりがあり、処分に困っている不動産情報などの相談を受けているケースがあるからです。
場合によっては不動産屋よりも情報が早いこともあります。
住宅ローンの相談ついでなど、もし機会があればダメもとで尋ねてみるのも良いかもしれません。
市の競売物件
自治体で競売物件を扱うことがあります。
役所に行く機会があれば念のためチェックしてみると諦めかけていた情報が見つかるかも知れません。
その際、プロの不動産屋が競合に入ってくる可能性があることも頭に入れておきましょう。買える確率は下がりますが…プロの不動産屋が買いたいというくらいなので、そのときその物件は間違いなく良い土地だと思います。
おすすめの土地情報サイト
土地を探すときに最低限チェックするべき土地情報サイトを紹介します。
at home
全国最大級の土地情報サイト。ほとんどの不動産屋が利用しているこのサイトが間違いなく一番最初にチェックすべき土地情報サイトです。
地元不動産業者サイト
地元の不動産は地元の不動産屋が抑えていることが多いです。
店舗にしか情報を出していないところもあるのでサイトになかったところで諦めないように注意しましょう。
suumo
テレビCMでお馴染みですが、シェアをどんどん伸ばしてきています。
yahoo不動産
楽天不動産
まとめ:土地選びは根気と諦めが重要
繰り返しになりますが、土地選びの際は
- 土地に合わせてプランニングする
- 最低3回現地視察する
- 近隣の住宅や近くの施設を確認する
- 資産価値を考える
- 諦める項目を決める
の5つがとても重要になります。
できることは全部やること、そして100点を求めないことが重要です。
土地探しは大変だと思いますが、頑張ってください。