間取り

2階にトイレは必要か?失敗談から考える2階トイレ問題

・2階のトイレってあまり使わないけど、必要?

・あまり使わない割には掃除が面倒…

・少しでもコストを抑えたいし、2階トイレを無しにしようかな…

2階にトイレが必要かどうか迷われている方は、この記事を読んだらはっきりと答えがわかります。

なぜならこの記事ではメリットとデメリットを明確にまとめているからです。

2階トイレに関しては計画段階でも住んだ後でも要否の意見ははっきりと分かれます。たくさんの事例を見てきた現役建築士が問題を検証することで疑問に対する答えを出すためのお手伝いをします。

この記事を読んで2階トイレについての迷いがなくなれば幸いです。

2階トイレのデメリット

2階にトイレを設けた時にデメリットは以下の4つです。

  • あまり使わない
  • 音が気になる
  • 掃除が面倒
  • コストがかかる

順に解説していきます。

あまり使わない

2階トイレはあまり使わないという声が多いです。

実家などで使用頻度が低い2階トイレを目の当たりにして必要性を感じなくなっている人も多いのでは。

メインの生活スペースが1階だと、2階は寝る時くらい。寝る前にトイレに行けば、確かに2階のトイレはあまり使わないかもしれません。

音が気になる

トイレは周りに音が響きます。

なぜなら用を足すと流水音や生活音がどうしても出るためです。

2階のトイレの音は隣にも下階にも響きます。寝室へ音が響かないように工夫が必要です。

掃除が面倒

2階のトイレは掃除が面倒だとよく言われます。

水まわりは使わなくても汚れるものです。便槽内に輪染みや手洗い部分の水あかはとても気になります。

よく使う1階トイレは気付きやすいですが、あまり使わない2階トイレはついついほったらかしにしてしまいます。

コストがかかる

トイレを作るのはコストがかかります。

便器、手洗い器、建具、その他アクセサリー(タオル掛け、ペーパーホルダー)を合わせると20~30万円ほどが目安ではないでしょうか。

2階トイレのメリット

対して、2階トイレのメリットも当然あります。大きくは以下の4つです。

  • 夜起きた時に便利
  • 朝の混雑時に活躍
  • 誰かが長居したときも活躍
  • 2階に水道があると便利

順に解説します。

夜起きた時に便利

夜中に起きた時は2階にトイレがあってよかった、と思うはずです。

なぜなら寝ぼけた状態で階段を下りるのはとても面倒だからです。

眼鏡を探して、やっと見つけて、照明を付けないと危ないけど、明るくして目が覚めるのも嫌だから…などと考えながら1階まで下りるのは結構なストレスです。

夜中にトイレに起きることってそんなに少なくないなと思った方には必要だと思います。

朝の混雑時に活躍

朝は大活躍するはずです。

家族同士で朝の準備の時間は重なるからです。家族が多いほど、子供が大きくなるほど朝はあわただしくなります。

あまり使わないトイレでも、階段を上がらないといけないトイレでも、今行きたいという時には必ずそこにいくはず。

人が集まったときなども同様に活躍します。

誰かが長居したときにも活躍

誰かがトイレを占領したときにも活躍します。

5~10分長居したらその間は実質トイレがない家になります。

まさか近くのコンビニや公園まで駆け込むわけにもいかず。他の人はただひたすら廊下で待つしかなくなるわけです。

体調を崩した時などは特にあり得る話です。

2階に水道があると便利

トイレ以外の目的でも、2階で水が出る場所があるというのがあります。

手洗器があれば別ですが、通常は2階には設けませんよね。トイレがあるとその点便利です。

ちょっと手を洗いたいとき、雑巾を洗いたいときなど便利です。

そんなに頻繁に使うわけでなないので、トイレと兼ねることができたら便利です。

2階トイレを計画するときに注意点

2階にトイレを計画するときは以下の3つに注意しましょう。

下階は居室を避ける

トイレの下階に居室が来ないようにしましょう。

音が響くし、点検口が見えるし、良いことはありません。

間取りの都合で仕方ないという時もあるかもしれませんが、よく考えれば何とかなります。というよりも何とかするべきです。

リビングや和室や玄関の上にトイレがある間取りはまだまだ検討の余地があります。

1階の便器となるべく機能を揃える

これはできればですが、1階のトイレと2階のトイレは機能を統一しましょう。

たまに使った2階のトイレが使い勝手が違ったというのは小さなストレスになります。

例えば1階が自動洗浄機能付きだと、2階のトイレも自動洗浄付き望ましいです。1階のトイレで流さない癖がついていると2階のトイレでも流さないからです。

コストも重要ですが、できる限り1・2階の機能はそろえましょう。

音が響くのはトイレットペーパーのカラカラ

音が寝室に響かない様な工夫が必要ですが、意外と気付かないのがトイレットペーパーのカラカラ音です。

高い音は響きやすく、壁やドアを挟んでも聞こえてしまうものです。

それを知っていれば左右どちらにつけるか悩んだ際に居室がない方を選択することができます。

便器に座ったときにどちらに紙巻き器が来るのかはどちらに寝室があるかで決めましょう。

2階にトイレを計画しないときの注意

2階にトイレを計画しないときは夜中にトイレで起きた時も1階のトイレを使用します。

そのため、1階のトイレは階段の近くが望ましいです。

思い切って2階のトイレを無くすときはこれを守って設計しましょう。

平屋にトイレは2つ必要?

家族人数にもよりますが、朝などの混雑時を考えると平屋でもトイレが2つあった方が良いです。

平屋の場合普通はトイレが一つですが、2か所あればそれは重宝します。

できれば片方は玄関、片方は寝室近くなど、位置を分散するとより効果的です。

余裕が有れば平屋でもトイレは2つ設けた方が良いです。

まとめ:できれば2階にもトイレを。注意点をしっかりと把握

なるべく2階にもトイレを設けましょう。

あまり使わなかったとしても、いざという時の心強さは大きいです。

【2階にトイレを設けるデメリット】

  • あまり使わない
  • 音が気になる
  • 掃除が面倒
  • コストがかかる

【2階にトイレを設けないときのデメリット】

  • 夜トイレに起きた時、1階まで下りる必要がある
  • 朝は混雑する
  • 誰かが長居するリスク
  • 2階に水道がなくなる

以上を踏まえて検討してみてください。