間取り

ロフトで失敗しないために。建築士が教える5つの成功例と4つの失敗例

アイコン名を入力

・ロフトってどんなデメリットがあるんだろう…

・ロフトって実際の使い勝手はどうなのかな…

・ロフトにすることでどんなメリットがあるんだろう…

ロフトは憧れる人も多いですが、デメリットも多いです。この記事を読んで頂くことでロフトのメリットもデメリットもわかります。

なぜならこの記事は12年間で150棟の住宅を設計してきた現役建築士の知見に加え、ロフトに住んだ事のある人の生の声を聞き入れているからです。

ロフトの画像を眺めているだけでは気付かない、ロフトの5つのメリットと4つのデメリットをご紹介します。

個人的にはロフトは賛成でも反対でもありません。お勧めしたいケースもお勧めできないケースもあります。

ただ、ロフトのメリットとデメリットを理解しないまま計画するべきではありません。

この記事を読むとロフトにするべきか否かが計画段階でわかるようになると思います。

ロフトとは

ロフトとは、原義では建物の最上階または屋根裏にある部屋を指す。天井の下でなく直接屋根の下にあり、倉庫などに使われる。

Wikipediaより

ロフトは部屋の上階に設けた、天井の低い隠れ部屋みたいな空間です。収納や共有空間として使われます。

ロフトには法的な定義がいくつかあります。

申請面積には含まれない

ロフトは延べ床面積に含まれません。面積に含まれないため、階数としてカウントされません。

ただしそれには幾つかの条件があります。具体的には天井高さ、上限面積、はしごです。

天井高さは1.4m以下

天井は1.4m以下と決められています。1.4mを少しでも超えるとロフトではなく普通の部屋になり、面積も階数もカウントされてしまいます。

面積は下階の2分の1まで

ロフトの面積は下階の2分の1までと決まっています。

2分の1までなら一般的には超過することは無いですが、大きな面積で計画するときは超過しない様注意が必要です。

また、行政によっては8分の1と厳しいケースがあるので注意しましょう。

はしごは取り外し式

取り外し可能なはしごでないとロフトだと認められません。つまり、固定階段NGです。

ただしこれも行政により判断は様々。固定階段OKの自治体もあるので行政に確認が必要です。

ロフトのメリット

ロフトには5つのメリットがあります。ロフトを選ぶ方はこのような恩恵を受けることができます。

小屋裏空間の有効活用

空いている小屋裏空間を有効活用することができます。

そこは元々使っていなかったスペースで、庭を小さくしたり駐車場を狭くすることなく室内の空間を増やすことができます。

あと少し空間が欲しいとき、ロフトはお勧めです。

開放感がある

リビングにロフトを設けると開放感があります。

なぜならリビングの天井が吹き抜けになり、ロフトまで空間が繋がっているためです。

広さは床の面積だけでなく高さ方向でも感じることができるのです。

開放感がほしいとき、ロフトはお勧めです。

雰囲気が良い

ただ単に開放的なだけでなく、とても雰囲気が良いです。

ロフトは高さ方向への空間の変化をもたらし、隠れ家的な要素もあるからです。

転落防止用の手すりにデザイン性を持たせたりすると、なおインテリア性が良くなります。

おしゃれで普通とは違う空間にするならロフトは効果抜群です。

申請面積にカウントされない

ロフトは制限内での計画であれば申請面積にカウントされません。

建築基準法には容積率という面積制限があり、敷地面積に対して上限の床面積が決まっています。

面積は増やせないがもう少し室内の空間を確保したいという時にロフトが活躍します。

面積にカウントされないロフトで収納や遊びの空間を増やすことができます。

建築費や固定資産税を抑えることができる

例えば、あと6畳の面積を増やしたいとします。このとき建物を6畳大きくするよりも6畳のロフトを設置する方が金額は安いです。

これはロフトを増やしても、基礎、屋根、外壁工事の金額が変わらないからです。

また、前述の通り申請面積にはカウントされないため固定資産税も抑えることができます。

ロフトは低コストで室内の空間を増やすことができます。

ロフトのデメリット

対してロフトのデメリットです。計画しようと決めている方にも後悔しないように事前読んでほしい内容です。

夏は暑い

夏は小屋裏空間はまるでサウナのようにとても暑くなります。

屋根面に近いので熱気が伝わりやすいことと、室内の温かい空気が上昇することが原因です。

室内に冷房をきかせていてもロフトだけ全然冷えていないなんて言うことはざらにあります。

夏はロフトに上がれないと思っていた方が良いかもしれません。

天井が低く使い辛い

ロフトは天井が低いため使い辛いです。

1.4mという高さに普通に立っていられるのは小学校低学年までで、大人だと常に中腰になります。

妙な態勢で腰を痛める人も少なくありません。そうなるとあまり頻繁に利用する場所ではなくなってしまう可能性があります。

使い勝手を求めてロフトを計画すると後悔するかもしれません。

工事費用は意外とかかる

ロフトは意外と金額が掛かります。範囲や仕上げ方法によりますが、一部屋分くらいのロフトを作ったら50~70万円くらいかかります。

ロフトって安価なのでは?と思った方もいると思いますが、安いというのはあくまで建物を単純に大きくする場合に比べたらということです。

室内の床、壁、天井の仕上げは増えますし、エアコンや冷暖房費も増えます。

ただなんとなくでロフトを計画するのはお金が勿体ないです。

はしごを上るのが危険だし面倒

はしごを上るのは結構危険です。

これが荷物を抱えてとなるともっと厳しくなります。重たい荷物はロフトに上げれないと思った方が良いです。

収納としてロフトを取ったけど荷物の上げ下ろしが難しくてほとんど使っていないという人もたくさんいます。

用途を考えるときにはしごを上って可能か?ということを想定しておきましょう。

まとめ:『ロフト』を理解しないまま計画するのは危険

ロフトのことを理解しないまま計画するのは危険ですし、理解しないまま断念するのも勿体ないです。

【ロフトのメリット5つ】

  • 小屋裏空間の有効活用ができる
  • 開放感がある
  • インテリアの雰囲気が良くなる
  • 申請面積にカウントされない
  • 建築費や税金を抑えて空間を増やせる

【ロフトのデメリット4つ】

  • 夏は暑い
  • 天井が低くて使い辛い
  • 建築費が意外とかかる
  • はしごを上るのは危険だし面倒

計画段階でメリットとデメリットをしっかりと把握しておきましょう。