間取り

吹き抜けは寒いからいらない?吹き抜けの効果と住んだ後にわかるデメリット

吹き抜けを取ると部屋が大空間になり、明るく開放的になります。

吹き抜けは以下のようなときにとても有効です。

  • 明るさがほしいとき
  • 日当たりがほしいとき
  • 開放的にしたいとき

なんせ天井の高さが2倍以上に。効果は絶大です。

一方で、吹き抜けにはデメリットもあります。

失敗した人

吹き抜けがあると暖房が効かず寒い…

失敗した人

日差しが差し込んできて暑い…

失敗した人

リビングの音が二階の部屋まで響きやすい…

失敗した人

吹き抜けが狭くし過ぎてあまり開放感がない…

これらの悩みの原因を考え、解決策を解説します。

建てた後に後悔しないように、吹き抜けのデメリットは計画段階で把握しておきましょう。

吹き抜けは暖房がなかなか効かない

失敗した人

吹き抜けがあると暖房が効かず寒い…

吹き抜けにすると空間が大きくなるため、冷暖房が効きにくくなります。

特に暖房。暖かい空気が上に上がり、吹き抜け一階部分のリビングなどは温まりにくくなります。

(吹き抜けの二階はポカポカです)

吹き抜けにするからには暖房効率の低下はある程度仕方ないと割り切った方が良いです。

ただ、打てる対策がないわけでもありません。

ファンは必須

吹き抜け天井にシーリングファンは必須です。

引用:fazoo-blog.com

上に上がった暖かい空気を下におろし、空間の上下間の温度ムラを和らげてくれるアイテムです。

掃除ができないのでファンは嫌いというご意見もあります。

しかしずっと回していればホコリなどもたまりにくいです。

また、どうしても掃除をしたければ電動昇降機をつけることもできます。

床暖房がおすすめ

吹き抜けと床暖房はセットで検討するべき。と言ってもいいくらい床暖房がお勧めです。

温かい空気は上へ上へと上がっていくので、足元が冷えやすくなります。

その足元からしっかりと温めつつ、部屋全体を温めてくれるのが床暖房です。

吹き抜け有無に関わらず、暖房はそもそも足元からした方が効率が良いです。

また、乾燥した空気を送り込むエアコンと違いほぼ乾燥しないので快適です。

壁で囲われた吹き抜けもある

吹き抜けと上階の廊下が繋がっている間取りが多いですが、吹き抜けが壁で囲われているパターンもあります。

空間を区切っている分多少空調効率がいいです。

『吹き抜けにしたいけど暖房効率が心配』という方にはお勧めです。

難しいインテリア計画。照明とカーテン

失敗した人

日差しが差し込んできて暑い…

吹き抜けは部分の照明やカーテンに手が届きません。

照明やカーテンを変えようとすると内部足場を組む必要があります。

…足場なんて家の中で何度も組むものではありません。

照明、カーテン問題は予め打てる手を打っておいて方が良さそうです。

ホコリがたまらず高寿命のLEDダウンライトがおすすめ

照明は以下の3つから検討することになります。

  • ペンダントライト
  • ブラケットライト
  • ダウンライト

この中でダウンライトが最もお勧めです。

上階天井からつるすペンダントライトはおしゃれですが器具の上にたまるホコリが気になってしまいます。

壁につけるブラケットライトは脚立にのれば届きますが、やはり器具の上にホコリがたまります。

天井に埋め込むダウンライトはスッキリしたデザインで開放感も邪魔しないし、ホコリも気になりません。

LEDライトは高寿命なので、手が届かない吹き抜け天井でも安心です。

ちなみにLEDライトの寿命は約40000時間。

一日6時間点灯するとして約18年持つという計算になります。

カーテンはつけない方が良い

吹き抜けにカーテンをつけたら、長いコードか電動で操作するしかありません。

コードはうっとうしいし、電動は故障のリスクがあります。

おすすめしません。

カーテンはなるべくつけなくてもすむように設計しましょう。

このとき大切なのは窓の方角。

東向き、西向きの窓は夏場暑い日差しが差し込むのでカーテンが必須となります。

吹き抜けの窓は南か北向きに設置して、なるべくカーテン無しで計画しましょう。

窓ガラスの掃除はできない

言うまでもなく窓ガラスの掃除はできません。

庭から長い棒で…ベランダから長い棒で…と考えると不可能ではないです。

しかし長い棒で力を込めて汚れを落とすなんて無理だと考えた方がよいでしょう。

掃除ができないとなると、透明ガラスはお勧めしません

空を見たい、星を見たいという気持ちはとてもよくわかります。

でも実際に見えるのはガラスにこびりついた雨垂れです。

不透明ガラスにして光のみ取り入れるのが住宅では一般的です。

吹き抜けの窓の外側にベランダがあれば掃除できるね

良くも悪くも気配を感じやすい間取りに

失敗した人

リビングの音が二階の部屋まで響きやすい…

吹き抜けは上下階で音が響きます。

空間が繋がっているのだから当然ですが、『こんなに響くんだ…』と後悔する方も少なくありません。

ワンルーム感覚で家族の気配を感じられるのは良いことです。

でもお互いのプライバシーの確保が難しいため、注意が必要です。

引き戸より開きドアの方が少し防音効果がある

ほんのわずかですが、引き戸よりドアの方が防音効果があります。

もちろん建具商品にもよるため、計画時に確認は必要です。

開きドアの方が開けるときの音も小さいので、寝室にはドアの方が向いているかもしれません。

各部屋の防音には断熱材充填が有効

これもわずかな効果ではありますが、防音には断熱材充填が有効です。

外部の壁には断熱材が入るのは当然ですが、内部の間仕切り壁は通常空っぽです。

ここに外部と同じように断熱材を充填すると各部屋の生活音が響きにくくなります。

遮音効果は16Kのグラスウール程度で十分だよ。

吹き抜けの適したサイズは?

失敗した人

吹き抜けが狭くし過ぎてあまり開放感がない…

せっかく設けた吹き抜けが小さすぎたら効果が薄いです。

それなのに暖気だけ逃げていくという最悪の結果に。

サイズや形状にはある程度の検討が必要です。

最低でも4畳半

2.7m×2.7mで四畳半。

これはアパートなどの1ルームの最小サイズです。(もっと狭いアパートに住んでいる方、ごめんなさい)

つまり1部屋分です。これくらいあれば開放感を感じます。

もちろん大きければ大きいほど吹き抜けの視覚効果や明るさ、日当たり改善効果は高くなります。

暖房効率の低下は吹き抜けのサイズが増えてもそう大きくは変わらないため、最低四畳半であとは取れるだけ大きく取る、で問題ありません。

壁・天井は白にすると明るい

吹き抜けは白い壁・天井の方が開放感もでるため白がおすすめです。

ライトウェルという言葉があり、直訳すると光の井戸。

窓から差し込んだ日差しは白い壁に反射して光を中におろしてくれます。

まとめ:吹き抜けは良いことばかりではない

吹き抜けには以下のような失敗談(デメリット)があります。

  • 暖房が効きにくい
  • 照明・カーテン計画が難しい/手が届かない
  • 家の中で音が響きやすい
  • 小さいサイズで設けてもメリットが少ない

お勧めの対応方法は以下の通り。

  • 床暖房
  • LEDダウンライト
  • カーテンは無し
  • 寝室は開きドア
  • 吹き抜けの大きさは最低四畳半

吹き抜けを設けるととても気持ちいい空間になります。

デメリットもあるので、予め打てる対策は打ったうえで計画ができるとよいですね。