間取り

部屋の広さが足りない?失敗から学ぶ後悔しない間取りの作り方

できあがったら思った以上に狭い…

家具を置いたら部屋が狭い…

ここにこんなにスペースは要らなかった…

間取りを検討するときに図面を見ていても中々イメージはわかないものです。

間取りを検討するうえで最も多い失敗は『広さ』のミスです。

満足のいく広さを確保し、必要のない無駄なスペースは省く設計をするにはどのようにすればよいのでしょうか?

部屋の広さを確保する重要性

部屋の広さを確保するのには以下のような目的があります。

  • 開放感を感じれるため
  • 家具が無理なく配置できるため
  • 通路(動線)を確保するため
  • いざというときのスペース(作業や遊びなど)を確保するため

どれも快適な生活のためには欠かせない要素です。

広さの失敗はなんとしても避けたいですね。

失敗談1 リビングダイニングが狭い

『○○帖にしたのに狭く感じる…』

『モデルハウスが○○帖だったから、我が家は○○帖にしよう。』

『リビングダイニングは○○帖にしておけば大丈夫。』

部屋の広さを畳数(畳何枚分か)で表すこのやり方はとても一般的です。

畳数を基準として設計することは実際にとても良くあります。

でも、実際は部屋の形や置く家具が違ったら部屋の広さは大きく変わってきますし、窓の計画や天井の高さによって広い・狭いの体感も変わってきます。

もちろんとても明確な指標ではありますが、もう少し深く考えた方が失敗を防ぐことができます。

家具を考えていないと空間設計は必ず失敗する

リビングダイニングの失敗のほとんどは家具の検討不足です。

ライフスタイルが異なれば、置く家具も異なります。

つまり、家庭ごとに置く家具の種類やサイズは異なるのが当然で、その家具を検討しないと思い通りのリビングダイニングの広さが設計できるはずがありません。

例えば、どれくらいのサイズのテレビを置くかによってテレビとソファの距離が変わってきます。

>>テレビとの最適視聴距離は?

必要なスペースを確保した上で、余裕を設計していきます。

そうしないと、せっかくの広いリビングが広く感じないという悲劇も多分にあり得てしまうのです。

『実際の物件』に加えて『置く家具のサイズ』をよく検討しよう

広い狭いは個人の感覚です。

モデルハウスや実際の完成物件や知り合いの家などでどれだけの広さにしたいかをまず確認しましょう。

そしてどのような家具を置くか、どのようにレイアウトするかを考えて、実際に見た部屋のように使用できるかを検討していくことをお勧めします。

失敗談2 キッチンが狭い

『キッチンが狭くて使い辛い…』

家事をする主婦がキッチンに立つ時間は長く、キッチンでの作業量もとても多いです。

動いたり振り返ったりするとき、狭いと使い辛くストレスがたまります。

特に冷蔵庫の前は一番狭くなります。

食器棚よりも冷蔵庫の方が奥行きが大きいため、冷蔵庫が飛び出してしまい通路が狭くなるのです。

できることなら設計の段階から解決しておきたい課題です。

適切な通路幅は?扉の開け閉めを考慮しよう

キッチンに立った時の通路幅の理想は1メートル前後と言われます。

なぜ1メートルくらいが適切なのでしょうか?

今のキッチンの収納はほとんどが引き出し式です。

開き扉だと奥のものが使い辛くて不便に、また掃除もし辛く不衛生になるためです。

50センチほどの引き出しが手前に開くことを考えると1メートルくらいはスペースがないと厳しいです。

では広ければ広いほど使い易いのかというとそうではありません。

後ろを向いて食器を取ろうとしたときに一歩増えてしまうため、広すぎも不便です。

やはり、1メートル前後(900~1100)がベストということになります。

キッチンの後ろは何の部屋?設計段階でできる工夫

間取り上可能であれば、冷蔵庫の前面と食器棚の前面がフラットになるように後ろの壁を調整しましょう。

物入れや洗面脱衣室ならうまく段差を利用して収納棚を取りましょう。

部屋なら本棚にしてもいいです。

冷蔵庫は飛び出すのが普通ですが、前面が揃うととてもスッキリします。

その他にも冷蔵庫が出っ張らないようなレイアウトはたくさんあります。

  • キッチン・食器棚と違う場所に置く
  • 食器棚の横ではなく、キッチンの横に置く

冷蔵庫の出っ張りを解消すればとてもすっきりしたキッチンになります。

失敗談3 トイレが狭い

『少しだけでも広くすればよかった』

ほんの少しでも広くしておけば快適に使えたのに…

そのような声は少なくありません。

毎日利用する場所であり、スペースが限られたトイレや廊下は少し広くするだけでとても使い易くなります。

部屋の10センチはほとんどわかりませんが、トイレの10センチはとても大きな変化をもたらします。

グリッド設計が当たり前ではない

図面にはマス目(モジュール)があります。

基本的にはこのマス目に添って壁の線を書いていくのが普通で、これをモデュラーコーディネーションと言います。

廊下やトイレは1マスで設計するのが当たり前で、ほとんどの設計士はこれにならって設計します。

このマス目から壁の位置を図ずらすことを『間崩れ』といいますが、トイレは積極的に間崩れを利用して広げた方が良いです。

要らないスペースを要るスペースに

よ~く見たらスペースはもっと有効に使えます。

ここは狭いのにここは無駄に広いなんていうことがないように注意してスペースの割り振りを考えましょう。

失敗談4 洋室のサイズミス

こんなに要らなかった

寝室や子供部屋のスペースの取りすぎは良くある話です。

寝室は8畳、子供部屋は6畳という固定観念があるとこうなります。

確かに置く家具や使い方によってそれだけ必要な時もありますが、寝るだけの空間が広くても勿体ないというのもわかる気がします。

洋室に最低限必要な広さは?

寝室は6畳でベッドが二台置けますし、子供部屋は4.5畳でベッドと机が置けます。

プラスアルファのスペースがなぜ必要かを考えた上で計画しましょう。

将来的な使い方も考慮

特に子供部屋は将来的な利用勝手が変わる部屋です。

おもちゃ部屋、物置部屋、物干し部屋、書斎。。

本来の子供部屋以外の目的で存在している時間の方が長いかもしれません。

必要な広さはそこまで考えて適切に判断する必要があります。

まとめ:生活をイメージし、『家具・家電』を考える

とにかく家具・家電のサイズと配置を考え、部屋の完成系までイメージしましょう。

間取りの善し悪しは使い勝手や快適か否かによって分かれますが、それは家具・家電がどれだけスッキリ配置できているか、空間を邪魔していないかによります。